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- クレーマーは各自に慣れた常套手段を繰り返し使います。
- そして、いずれの常套手段も次の4つのカテゴリーに分類することができます。
- クレーマーが仕掛けてくる常套手段がどのカテゴリーのものであるかを意識することで、クレーマーの真意がつかめるようになります。
Categ.①:余裕を奪う
- クレーマーにとって、一番厄介なのは、冷静沈着で判断と行動に切れ味のある優秀なあなた(折衝担当者)です。
- なので、クレーマーが最初にすることは、あなたの余裕を奪うことです。
- 余裕を失ったあなたは、普段しない失敗をしてしまうか、もしくは失敗しそうになります。
- あなたは慎重になり、切れ味の良い判断、行動ができなくなります。
- あなたはクレーマーとの折衝をリードすることができず、逆にクレーマーに揺さぶられやすい心理状態に陥ってしまいます。
Categ.②:不整合を突く
- クレーマーがあなた(折衝担当者)を揺さぶる際にもっとも楽で安全な方法は、不整合の理由を追求することです。
- 不整合を見つけて、なぜ?と聞けばよいく、クレーマーが自論を述べる必要がないからです。自論を述べればそれがあなたから反論される拠点になりますが、自論を述べなければ反論される要素がないので無敵なのです。
- たくさんの社員がたくさんのお客様を相手にしている会社であれば、隅々まで完全に整合性が取れているという状態はむしろ不自然です。いろいろなケースで実情に即してその場を任された社員が臨機応変な対応をしているものです。
- その場の担当者が当時の状況をよく考えて判断したものですが、あなた(折衝担当者)が知るところではありません。なぜ?と聞かれてもすぐには答えられません。調査して分かるものもありますが、調査しても本当のところがよくわからないことも多いです。
- クレーマーはあなたが答えづらい不整合を見つけて、執拗にその理由を追求して、あなたの動揺を誘います。
- そこで、あなたが耐えられずにうっかり適当な言い逃れをして、あとでそれが間違いだったと分かると、クレーマーは格好の攻撃ポイントをゲットしたことになります。
- ただ単に、見つけた不整合の理由を聞くだけで、クレーマーはあなたを追い詰め、あなたを動揺させ、あなたとの交渉の主導権を握ることができるのです。
Categ.③:正論を装う
- 十分にあなた(折衝担当者)を動揺させ、あなたとの交渉の主導権を握ったクレーマーは、正論を装って過剰な要求を突きつけます。
- 過剰な要求は、折衝のきっかけとなったトラブルとは全く別のものになっている場合もあります。
- 実は、クレーマーにとってトラブルの発端はどうでも良いのです。あなたを揺さ振って過剰な要求を通すことが真の目的である場合が少なくありません。
- クレーマーの立場に立てば、単なる手続き上のミスや礼儀作法を問題にするより、その会社の社員教育体制やリスク管理体制を問題にした方がうま味があるのです。
- クレーマーは些細な不整合を大袈裟に取り上げ、何様ですか?と言いたくなるような大袈裟な正論を述べ立てます。
- しかし、この時点までに十分に揺さぶられ、動揺させられているあなたは、クレーマーが装う正論にも一理あると認めてしまい、過剰な要求を即座に拒絶することができなくなっています。
- とはいえ、過剰な要求はあくまでも過剰なので受け入れることもできず、あなたは追い詰められてしまいます。
Categ.④:引き延ばす
- クレーマーにもレベルがあり、何か困ったことを解決したいという人は真正なクレーマーではありません。真正なクレーマーは、純粋にあなた(折衝担当者)やあなたの会社を追い詰めて過剰な利益を得ようとしている人です。悪質な場合は、あなたやあなたの会社の人たちが大騒ぎをして困る姿を見て面白がる愉快犯です。
- そして、真正なクレーマーと対峙するときに、あなた(折衝担当者)に不利な要素があります。それは時間です。
- あなたはたくさんの業務をこなすなかで、そのクレーマーと折衝をするので、その案件だけに時間をかけるわけには行きません。また、何年にもわたって折衝を続けるわけにもいきません。通常であれば1か月で解決したい。どんなに長くても2か月で終わらせたい。3か月以上かけると、経営層から大丈夫か?と心配され、それなりの報告と改善策を求められます。ここで、「あと1か月で解決します」などと大見えを切ってしまうと、あなたはどんどん追い詰められます。
- しかし、真正なクレーマーには時間の制約がありません。本質的に暇です。暇だからクレーマーなんかして、あなたやあなたの会社をイジメて楽しんでいるのです。
- クレーマーはこの時間に対する制約の格差を利用します。
- クレーマーは解決を引き伸ばします。あなたが提示する解決案にいろいろな理由をつけて合意しません。あなたは、あなたの会社として許容できるギリギリの解決案を、最大限の誠意をもって提示しているのに、クレーマは首を縦に振りません。あなたは困惑してしまいます。クレーマーは困惑するあなたの様子を見て、さらに良い条件をあなたが提示するのを待ち続けます。あなたは、完全な袋小路に追い詰められます。
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