テクニック②-1:なめられづらい印象を与える

  • あなたがどんなに完璧な対応が出来る人だとしても、第一印象で「なめられる」=「無能だと思われる・くみしやすいと思われる」と面倒になります。申出人に第一印象の思い込みが間違いであると思い知らせるのに手間がかかるだけでなく、その時に必ず申出人のプライドを幾分傷つけるので、折衝全体への悪影響は計り知れません。
  • クレーマーにとって手ごわい折衝相手は、「冷静で挑発に乗らない」「脅しても動じない・怯えない」「理路整然と話をする」「丁寧でマナーに隙がない」というタイプです。なので、あなたがそう言う人だと最初に印象づければ良いのです。
  • あなたが、男性であるか女性であるか、20歳代であるか50歳代であるか、によって演じるキャラクターは異なります。あなたの性別・年齢に合わせた「手ごわい折衝相手」の印象を与えるキャラクターを想定し、それを演じるのです。
  • あなたが本当はどういう性格の方なのかは、この際関係ありません。これは仕事です。俳優と同じです。あなたがテレビドラマや映画をイメージして、あなたと同じ性別・年恰好の俳優さんをイメージして、その俳優さんが凄い対クレーマー交渉人の役を見事に演じる姿を想像してみて下さい。それがあなたの演じる姿の手本です。

テクニック②-2:申出人を怖がらずに好きになる

  • 申出人を極悪なクレーマーだと思っていると、その気持ちが相手に伝わり、相手の態度を硬化させます。
  • その申出人は怖い人でも悪い人でもないと思い込み、お話ができるのが嬉しい。と自分の感情をセットします。
  • 申出人が怒鳴っていようと、罵詈雑言を吐いていようと、それは不幸な何かの行き違いであって、多くの人には誤解されているけれど、この申出人は本当は良い人であって、私だけがそれを見抜いている……。ぐらいの気持ちでいれば良いのです。そう信じるのではなく、自分の感情にそう思い込ませるのです。
  • どういう言葉を言えば良いとか、どういう振る舞いが良いとか言う話ではありません。どんな言葉も、どんな振舞いも、状況によって有効であったり逆効果であったりするものです。具体的なフレーズとか動作とかをたくさん覚えて、それをたどろうとするのではなく、怖がらずに好きになってしまえば、自然に発せられる言葉や自然に行う振る舞いがあなたの第一印象を良くします。一番楽で効果的なテクニックです。